版木の削り、ビュランの砥ぎが終了したら、いよいよ彫りに取り掛かります。試し彫り用の小さな版木ですから、ぶっつけ本番で彫ってみます。
ビュランの握り方。版木への刀の入れ方等を練習してみましょう。一本のビュランで様々な線刻ができることを体感してもらいます。
彫り始める前に、版木を墨汁で黒く塗りつぶしておきます。こうしておくと、版木を彫ったとき、線が見やすくなるのです。
木口木版画 の彫りは、集中力が求められます。小さい画面の中に、奥行きを感じられれば、彫りの作業は、一段と楽しくなることでしょう。
版木の彫りが一段落したら、いよいよ試し摺りに取り掛かります。
木口木版画の摺りは、インクの硬さがポイントです。硬いインクと、やわらかいインクを混ぜ合わせ、ちょうど良い硬さのインクを作ります。
今回は、リトグラフの製版インクと、凹版用のインクを混ぜたものを使います。
摺る紙は、がんピシを使います。直摺りといって、がんぴ紙より厚い紙も摺ることができます。
木口木版画の摺りは、本ばれんの十六個が最も理想的だと私は思っています。あて紙をのせて、渾身の力を込めて摺ってみます。
摺ったものは、裏打ちをしたほうが良いでしょう。
そのあたりの詳しい方法は、次回の講座で試してみることにします。
つづく