東京池袋にある、創形美術学校での木口木版画の実習がはじまりました。
毎年、集中講議で、木口木版画の指導を、もう十年以上続けています。
創形美術学校には、木口木版画の、いわば伝統のようなものが存在していると思っています。
初めて、創形美術学校で、木口木版画の指導を行ったのは、故日和崎尊夫さんでした。日和崎さんの木口木版画作品に触発され、創形美術学校に入学されたのが、柄澤齊さんでした。
私は、創形美術学校の研究科に在学していたとき、柄澤齊さんから、木口木版画の指導をうけました。今から、三十五年ぐらい前のことでした。
さて、今年も、若い学生達と共に、木口木版画の制作が始まったのですが、木口木版版木の表面の仕上げが、いまいち不完全でしたので、講義初回は、全員で版木の削りに没頭いたしました。
木口木版画の材料。版木の、表面の加工が最も重要な下準備のひとつです。作業としては、単純ですが、根気の要る作業です。
全員で、わいわいがやがや楽しみながら、木口版木の表面の削りを行いました。