今年の夏、『山想譜』の取材に白馬岳に登ってみようと考えていました。しかしながら、天気が安定せず、ついいきそびれてしまった。
十月に入っての三連休、天気予報によれば十二日は快晴の様子。この機会を逃してなるものかと、早速登山の準備に取り掛かる。
白馬岳は日程的に無理があったので、八方尾根から白馬三山を眺めてみようという計画をたてた。
当日は予想通りの快晴、無風状態。格好の取材日和となった。八方尾根にはスキーで数回訪れたことはあったが、こんなに素晴らしい白馬三山を目前にしたのは初めてだった。
五竜岳の雄姿。鹿島槍の双耳峰がくっきりと望めた。後立山連峰の全山が視界にはいっている。
不 帰の嶮の峻険な岩尾根も手に取るように見えていた。
唐松小屋の前からの唐松岳。
剱岳、立山連峰もくっきりと望めた。今回の取材は、一応、積雪期のための偵察の目的もあった。山の版画を作るためには、どうしても雪のある時期にこの山稜を歩いてみたい。しかし、天候にもよるがかなり困難だろう。スキーを担いで、八方ケルンあたりまで登ってみようかなどと考えた 。
その日の夜のうちに、仕事の都合で帰宅しなければならなかったので、一目散に八方尾根を下る。リフトで兎平に下ったときだっただろうか、撮影現場に遭遇した 。目前に、多分、北アルプス山岳救助隊隊長、紫門一鬼さんだろうと思われる方に遭遇した。梓林太郎原作の山岳推理サスペンスに登場する人物だが、高島政宏さんが演じている カメラを手にしていたので、一枚写真をとらせていただいた。ずうずうしい申し出に快く答えてくださった。撮影していたものが、どのようなタイトルかは確認していないが、山岳を舞台にしたドラマではないかと勝手に想像した。
写真は良く取れていたが、肖像権等も存在すると考え、本当はブログに載せたかったのだやめることにした。