群馬県館林市にある、群馬県立館林美術館での「版画ワークショップ」は、今回で二回目となりました。前回は、板目木版画のワークショップでしたが、今回は『木口木版画で作る蔵書票』というテーマです。
館林美術館のワークショップ室は、本館と別棟になっていて、フランスの田舎町を思わせる素敵な建物になっています。
内部には、フランソワ ポンポンのアトリエが復元されていて
これがまたとても落ち着いた佇まいで、自分のアトリエにしたいぐらいの魅力ある雰囲気をかもし出しています。
『木口木版画で作る蔵書票』の作業は、贅沢にも、この趣きある工房でおこなわれました。
今回のワークショップでは事前に、木口木版画制作のテキストを作り、参加者の方々に配布しておいたので、参加者22名の殆どの方が下絵を描いてきてくださいました。そのおかげで、速やかに版木に下絵を転写。ワークショップ開始、一時間後には、皆思い思いの図案の蔵書票を彫り始めることができました。
とはいっても、始めて握るビュランに戸惑いも感じていたようでした。
しかしながら皆さん、いざ彫り始めると、見事な集中力で、不自由さをものともせず彫りの作業を進めておられました。
ところで、群馬県立館林美術館で開催されている、「都市のフランス自然のイギリス」という企画展に、英国トーマス ヴューイック、フランス ギュスタフ ドレといった作家の木口木版画が展示されています。
ワークショップでは、それら、西洋の木口木版画の鑑賞を深めて頂くため、私の所蔵している、今から百年ぐらい前、実際に英国で、書物の挿絵として使われていた、古版木を持参し、参加者の方々に、自分で摺ってもらうというプログラムも用意いたしました。
繊細な木口木版画の摺りは、なかなか思うような結果が得られず、皆さん苦労なさっていたようです。
しかしながら、摺りあげた、百年前の木口木版画の繊細で緻密な表現には、全員、感嘆の声を発しておられたようです。
初日は、充分版木の彫りも進まなかったようで、参加者全員が、ビュランの貸し出しを望まれ、各自ビュランを持ち帰って一晩、彫版に挑んで頂くこととなりました。
明日が楽しみです。
どのような版ができあがってくるのか、わくわくしてきます。
つづく
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